2008年09月05日

自然と人間との共存を

本日、サンデー山口の「稜線」というコーナーに掲載したコラム。


先日、山口市仁保での取材時に「近年、サルが群れをなして山から下り、畑のものを取られて困る」と聞いた。
山から食べ物が消えてしまったのか。

戦後、国の経済政策によって、全国的に自然の森が壊され、スギやヒノキといった針葉樹を次々に植樹。
その結果、野生動物たちのエサとなる実や葉、林床を覆う下草、虫などが失われていった。
植樹された人工林も、その多くが林業不振で間伐もされず放置。
野生動物はその葉を食べられないため、空腹に耐えかねて仕方なく人里にまで降り、田畑を荒すようにもなった。

椹野川流域でも、手入れの行き届かない人工林が増えている。
1972(昭和47)年と2002(平成14)年とを比べると、スギやヒノキは35%、竹は15%増加。
その一方、広葉樹が主体の天然林は、逆に14%の減少となった。
広葉樹には、降った雨を山に保ち、豊かできれいなわき水にしたり、またその深い根で山崩れを防ぐといった大切な役割があるにもかかわらずだ。

市内では「マロニエの森の会」や「日本熊森協会山口県支部」などが、山に広葉樹を増やそうと懸命に活動している。
「自然あふれる」と形容される山口だからこそ、一刻も早く自然と人間とが共存する社会に戻したい。



山口市外では、いかがでしょうか?
わたしも昨年、豊北町の国道沿いを朝に運転していた際、歩道にサルが座っていたのを見て驚いたことがあります。
あまりにビックリしすぎて、写真は取り損ねたのですが…。
  


Posted by かいさく at 15:12Comments(0)稜線