23日付、サンデー山口山口版の「稜線」に掲載したコラム。



缶コーラ29円、ジーンズ690円、第3のビール100円、定食290円…。

最近、大手小売チェーンや飲食店が提供している価格である。

「安いに越したことはない」と思いたいが、本当にそうだろうか?


このような価格、地方における小規模店舗で実現できるわけがない。

ならば「値段以外で勝負」といきたいところだが、価格差が大きすぎて勝負の前に白旗だ。

このままだと早晩、地場の小売店や飲食店で立ちゆかなくなるところも出てくるだろう。


物の値段には、材料費生産費運搬費人件費宣伝費利益等々が含まれる。

前記のような価格を実現させるには、相当な「努力」が必要だ。

それすなわち、コスト削減への飽くなき追求である。

機械化やIT化でのコストダウンは既に限界の感があり、今後は固く絞ったぞうきんをさらに絞り上げ、一滴の水を垂らすようなもの。

自社だけでは実現不可能で、当然のことながら納入先等へも価格ダウンを要求。

それイコールさらなる国内人件費のカットであり「失業者の増加」「給料減少」に直結する。


地元企業は倒産して失業者が増加、大手企業やその取引先も人件費をカット…。

これでは日本の未来はない。



この不況下、「『需要』と『供給』のバランスで値段は決まる」との考え方から、上記のような価格設定がいたるところでなされています。

しかしながら前述のように、このようなモノを買い続けるのは非常に危険。

巡り巡って、自分の首を絞めることになります(デフレスパイラル)


現政府は「内需拡大」を標榜しています。


商売をまじめにさえしていれば、地方の中小店でも食いつないでいけるような正常な国に、一刻も早く戻してほしいですね。

  


Posted by かいさく at 20:16Comments(2)稜線