2月4日付サンデー山口山口版の「稜線」に掲載したコラム(の完全版)。



3日夜から、長崎市でランタンフェスティバルが始まった。

17日までの期間中、市内中心部は約1万5千個にも及ぶ極彩色のランタンなどで彩られ、中国色豊かな多くのイベントが、昼夜に渡り繰り広げられる。

先月、このイベントを育てた林敏幸さんから、立ち上げから現在に至るまでの苦労話などを、現地で直接聞く機会があった。





林さんは、中華料理店「会楽園」の支配人。

催しのそもそものきっかけは、横浜や神戸と違ってシンボルのなかった中華街に「門を作ろう」と立ち上がったことだという。

周囲の説得や資金作りに2、3年かかったが、1986(昭和61)年に1億数千万円かけて四つの門が完成。

その翌年、一周年のお祝いにと旧正月を祝う「春節祭」を開催した。

300~400個の台湾産ちょうちんを購入して飾り、イベントは中国獅子舞やちゃんぽん早食い競争程度のものだった。


「長崎ランタンフェスティバル」の名称は1994年からで、今では90万人の来場、86億円もの経済波及効果をもたらす催しへと育った。

「“水と油”の行政と民間とが、本音で深夜までぶつかり合い『長崎を思う気持ちは一緒』と、対等の立場で手を組めたのが大きい」と林さん。


“思い”を持った官と民との本音でのぶつかり合い…。

山口も、かくありたい。


  


Posted by かいさく at 20:50Comments(0)稜線