2014(平成26)年10月24日付サンデー山口(山口版)の「稜線」に掲載したコラム(の完全版)。


10月12日に野田神社能楽堂で開催された、山口鷺(さぎ)流狂言保存会の「結成60周年記念公演」を鑑賞した。

13人が出演し「末広がり」「棒しばり」「蟹山伏」「太刀奪」「鬼瓦」の5曲が演じられた。

能楽堂の舞台で「正装」で演じられた鷺流狂言はとてもユーモラスで、ずっと笑いっぱなしだった。

400年の歴史、鷺流狂言を支えよう

400年の歴史、鷺流狂言を支えよう

400年の歴史、鷺流狂言を支えよう

江戸時代、大蔵流、和泉流をおさえ幕府の筆頭狂言方だった鷺流狂言は、幕府瓦解のあおりを受けて家元が断絶。

だが、長州藩お抱えの狂言方だった春日庄作(しゅんにちしょうさく)が、1886(明治19)年に久しぶりに演じたことをきっかけに、山口で奇跡的に復活した。

その後は、町の人々が相互に稽古をつける「伝習会」によって受け継がれていったが、大正期には衰微。

それを憂えた有志が、1954(昭和29)年に同会を結成した。

1967(昭和42)年には山口県指定無形文化財の第1号に指定され、1997(平成9)年には文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」にも選ばれた。

現在は、週1回の伝習会や年間30件程度の公演を通じて、約20人の会員が技を継承している。


今後の継続のためには、伝承者の育成や財政面など多くの課題が立ちはだかっている。

だが、鷺流の実質的な流祖・鷺仁右衛門宗玄が徳川家康の命で観世座付になったのは、1614(慶長19)年。

保存会の歴史は60年でも、鷺流狂言には400年もの歴史があるのだ。

この火を絶やさないよう、市民皆で支えたい。





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