きょう、サンデー山口山口版の「稜線」に掲載したコラム。




前回(10月23日)の続き。


「国産物より輸入物の方が安い」が今の常識。

でもちょっと考えてほしい。

遠い国から運ばれてくる魚介類や農産物の方が、近くで採れるものより安いのはおかしな話だ。

このカラクリの背景には、世界各国で、物価も違えば産業への規制も違うことがある。


「日本の物価は高い」とよく言われる。

とはいえ、すべてにおいて高ければ問題ない。

しかしながら「安い輸入物」「安い海外生産品」が市場に出回って国内品を駆逐するようになり、わが国社会をじわじわと壊してきた。


物価や賃金などが安い国からの輸入品と、物価も賃金も高い国内品とは、まるで違う社会の中で生まれてきたもの。

それらを同じ土俵で勝負させるから、おかしなことになる。

少々乱暴だが、まっとうな社会に戻すには「輸入品に対する関税率を上げる」のか、「デフレ社会&賃金下げ&海外労働者積極受け入れ」かを選択すべきだ。

保護主義的な前者なら、輸出産業には打撃だが、海外モノより国内産の方が安くなり、内需産業の賃金体系や雇用は守られる。

一方後者なら、賃金は下がるが物価も下がり生活レベルは維持、さらに人口増も期待できる。


しかしながら、両方の「いいとこ取り」は、今後はあり得ない。





高度経済成長以来、日本の国内経済は輸出産業が先導してきました。

でも、バブル崩壊以降は、輸出が好調になっても、国民が「豊かさ」を実感することはなくなりました。

そして、昨年のアメリカ市場の崩壊、近年のアジア諸国の台頭などから、輸出産業もこれまでにない試練を迎えています。


そのような情勢下で、国は「最低賃金は維持しろ」「雇用拡大を」と旗を振り、その一方では「市場開放を」との外圧に屈している。

これは、輸出産業とその下請けには成り立つ論理ですが、国内向け産業ではあり得ない。



今、力を注ぐべきは国内向け産業と内需拡大。

民主党もそのように言ってます。

今後の具体的な施策に期待しましょう。




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Posted by かいさく at 19:42│Comments(0)稜線
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